-ミクロ経済学-寡占と独占的競争の特徴をわかりやすく解説!

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こんにちは!前回の記事では、独占の特徴と市場への影響、企業や政府が取る対策について解説していきました。実は、市場とは完全競争市場、独占、寡占、独占的競争市場の4つしかないのです。

そこで、今回は残り二つの市場構造である、寡占と独占的競争について徹底解説していきたいと思います!

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寡占

寡占とは、市場において少数の企業しかない状態を指します。価格>限界費用=限界収入であったり、参入障壁の存在は前回解説した独占の場合と同じですが、ライバル会社の存在という点で、独占とは少し事情が異なります。ちなみに、寡占の中でも2社の場合は複占と呼ばれます。さらに寡占は、扱っている財の種類によって二つに分類できます。

同質財の寡占

同質財の寡占市場では、企業間で提供される商品やサービスに差異が少ないか、まったくありません。例えば、石油がこれに該当します。このような市場では価格を下げれば相手の利潤を全て奪えるため、価格競争が起きやすく最終的には限界費用水準まで下がることが多いです。

差別化された財の寡占

差別化された財の寡占市場では、各企業は他の企業とは異なる商品やサービスを提供します。例えば、ドコモやau、SoftBankなどがこれに該当。こういった市場では、ブランド力や商品の特性などによって消費者の選択が左右されるため、マーケティングやブランディングが競争手段として重要となります。

 寡占企業が利潤を最大化する方法

常に他の寡占企業の反応を予測して戦略を立てる必要があります。つまり、ゲーム理論への理解が戦略的な決定のための重要なツールとなるでしょう。

談合

寡占企業間で非公式または公式に価格や生産量に関する取り決めを行い、値下げ競争を制限する行為を指します。多くの国で、このような談合は違法とされています。

トリガー戦略

企業が他の企業の反応を予測し、長期的な相互益を追求するための戦略です。たとえば、一方の企業が価格を下げると、他の企業も同様に価格を下げるという暗黙の了解が存在する場合などがこれに該当します。このような相互監視状態のもと、価格が均衡に保たれます。

独占的競争

独占的競争は、多数の企業が存在する一方、それぞれが差別化された財を提供する市場構造を指します。この市場では、各企業が価格設定者であり(独占的要素)、同時に他の企業と競争する(競争要素)特徴があります。つまり、独占的競争とは独占と完全競争の中間に位置していると言えます。

独占的競争の特徴

  • 製品の差別化:独占的競争の市場では、各企業は微妙に異なる製品を提供します。例えば、衣料品などがこれに該当します。
  • 自由な市場への参入/退出:新しい企業の市場参入や、既存の企業の市場退出が比較的容易です。(完全競争的要素)
  • プライスメイカー:各企業は、自らの商品やサービスの価格をある程度自由に設定することができます(独占、寡占的要素)。しかし、当たり前ですがいくら差別化されているとはいえ独占ではないので過剰な値上げは顧客を失うことになります。

 利潤の最大化と長期的な均衡

短期的には、独占的競争の下での企業は利潤を上げることが可能です。しかし、長期的には、利潤が高いと感じた他の企業が市場に参入してくることで、利潤は通常の「正常利潤」に収束します。要するに、短期では独占的、長期では完全競争的な働きをするということです。

消費者との関係

独占的競走企業は、寡占や独占企業と同じくP>MC=MRのルールで価格を吊り上げるため、消費者余剰と社会的余剰は減ります。

しかし、独占的競争市場では、消費者は多様な選択肢から選ぶことができます。ブランドの力、広告、製品の差別化など、企業の戦略は消費者の選択を左右する重要な要素となります。

まとめ

寡占は、極めて少数の企業が市場に存在しており、一度値下げが起きればたちまち価格競争が起きて企業が得られる利潤が減ってしまいます。そのため、寡占企業は常にライバル会社の動向を注視する必要があります。独占的競争は、独占と完全競争の中間に位置する市場構造であり、日常生活でよく目にする業界やショップの多くがこの構造の下で運営されています。

ここまで解説してきた4つの市場構造の特徴と、その違いを理解することで、賢い消費選択や企業分析ができるようになるでしょう!

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