神の見えざる手とは?アダムスミスの理論をわかりやすく解説!

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経済学を学ぶと、アダム・スミスの提唱した「見えざる手」の概念に出会うことでしょう。ここでは、この概念とそれに関連するトピックを探ることで、私たちの経済の動きを理解する手助けとなります。

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「見えざる手」の概要

前回の記事の最後に、企業が参入と退出を繰り返すことで市場価格が最適化されることを確認した上で、「見えざる手」という言葉を使いました。もちろんこれは筆者の造語ではなく、古典経済学の父と呼ばれるアダム・スミスが著書:国富論の中で述べた概念です。

われわれが食事できるのは、肉屋や酒屋やパン屋の主人が博愛心を発揮するからではなく、自分の利益を追求するからである。

山岡洋一訳:国富論

完全競争においては、すべての人間が利己的に振る舞った結果、まるで神に導かれたかのように社会全体の幸福度を高めてしまうのです。では、これまでの記事のおさらいも含めて、解説していきましょう。

あらゆる市場が最適化される

ある産業にプラスの利潤が存在する時、限界費用=市場価格(ゼロ利潤)のポイントまで企業の参入が続くことを前回学びました。そしてその産業に入れなくなると他のプラスの利潤が見込める市場へ流れます。それが進行し続ければ同一の産業はもちろん、異なる産業間においてもゼロ利潤による最適化が起こるのです!

例・・・洗濯機の市場が飽和しているためピーナッツバターの市場に参入するイメージ

見えざる手が機能しなくなる場合

ここまでの解説を聞けば、「見えざる手」は万能な概念であると感じる人は多いのではないでしょうか。しかし、実際には機能していない場合も多いです。

計画経済

ソ連や東独などの社会主義圏で行われていました。自己の利益よりも政府の設定した生産量だけ作ればいいので、見えざる手は機能しないと言えます。

外部性

政府介入でなくとも、外部性が存在する場合にも機能していないと言えます。外部性とは、経済活動が社会や第三者に不利益や利益を与えてしまうことです。外部性については、次回詳しく解説していきます!

情報の非対称性

財に対する売り手と買い手の持つ情報が、必ずしも同じとは限りません。例えば売り手の方が多くの情報を持っている場合、自己の利益を追求してしまうと買い手は不利な取引を強いられるために余剰は減少してしまいます。これを、情報の非対称性と言います。

効率性と公平性

ここまでの説明で分かるのは、効率的であることは公平でもあることを意味しません。公平性も重要な考慮事項となります。効率であるがゆえに不公平を生む状況は多いし、時には公平性を追求するために効率性を犠牲にしなければならない場面もあります。見えざる手が働く市場は、必ずしも最善な結果をもたらすわけではありません。

まとめ

「見えざる手」は経済の動きを理解するための有力なツールですが、その背後にある複雑な要因や制約を理解することが、真の経済的洞察を得る鍵となります。市場の自動調整機能に頼るだけでなく、公平性や効率性を維持・向上させるための政策や制度も考慮する必要があります。

最後に、自分が読んで役に立ったおすすめの書籍を紹介しておこうと思います。

1:大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる

値段的にも内容的にも初学者なら圧倒的にこれ。非経済学部ならこれだけでいいレベル

2:アセモグル/レイブソン/リスト ミクロ経済学

現在自分がメインで使っている参考書。値段も大きさも張るけど網羅性は最高峰、内容も初学者でも全く問題ない。

次の記事はこちら→-経済学-外部性と公共財とは?種類と特徴を分かりやすく解説!

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