経済学における「需要と供給の弾力性」とは?わかりやすく解説!

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前回の記事では、消費者に着目して経済学における重要な考え方を解説しました。今回は、弾力性の様々な側面、つまり、需要の価格弾力性、需要の交差価格弾力性、需要の所得弾力性、そして供給の価格弾力性について解説していきます!

需要と供給の弾力性

市場経済において、価格は常に変動しています。消費者の需要と、企業の供給が、その変動を大きく左右しています。これらの関係性を理解するためには、「弾力性」という概念が非常に重要です。

需要の価格弾力性

まず、需要の価格弾力性について。価格弾力性とは、商品の価格変化が、その商品の需要量にどれだけ影響するのかを示す指標です。具体的には、価格が1%変動した時、需要が何%以上変動するかを表すのが価格弾力性となります。弾力性は1を目安に絶対値で考えられ、1より大きければその商品の需要は「弾力的」と言われます。逆に、1より小さければ「非弾力的」と言います。例えば、インスリンのような糖尿病患者にとって必須の薬は、価格が上がっても需要がほとんど変わらないため、極めて非弾力的な需要と言えます。

なぜ価格弾力性は重要なのか

この手法の有効なポイントは、財の価格引き上げを検討するとき、引き上げた価格以上に需要が減りトータルでの収益が減ってしまうことが予想される場合に、引き上げを見送ることができるのです。

需要の交差価格弾力性

次に、需要の交差価格弾力性です。これは、ある商品の価格が変動した時、別の商品の需要量がどれだけ変化するかを示します。例えば、コーラとペプシのような代替品の場合、コーラの価格が上がれば(=需要が下がれば)、消費者はペプシを購入する可能性が高くなります。需要と供給の記事でも触れましたが、

一方の需要が低下(増加)→もう一方の需要は増加(低下)する時、これらは代替財となります。

また、一方の需要が増加(低下)→もう一方の需要も増加(低下)する時、これらは補完財となります。

需要の所得弾力性

さらに、需要の所得弾力性についてです。これは、消費者の所得が変動した時、その商品の需要量がどれだけ変わるかを示します。例えば、高級車のような贅沢品の場合、消費者の所得が上がれば、その需要も増加するでしょう。

収入の増加によって需要が増える財(=商品)を正常財と言います。逆に、収入が増えたにも関わらず需要が減る財は劣等財と言います。

供給の価格弾力性

最後に、供給の価格弾力性です。これは、商品の価格が変動した時、その商品の供給量がどれだけ変わるかを示す指標です。需要の価格弾力性と考え方は同じで、価格変動に対する供給量の変動を表しています。例えば、コメの価格が高ければ農家はより多くのコメを生産し販売する意欲が上がるので、供給量が増加する傾向があります。

まとめ

弾力性は、市場の動きを理解するための非常に重要な概念です。需要の価格弾力性、需要の交差価格弾力性、需要の所得弾力性、そして供給の価格弾力性、それぞれの側面を理解することで、市場の動向がよりクリアに見えてきます。この知識を理解することで、消費者として賢い消費ができる可能性が上がるだけでなく、事業者としても、財の価格設定に経済学の観点を取り入れた明晰な判断ができるようになります。

最後に、弾力性の話は簡単な計算を要するので文章だけでは多少わかりにくいかもしれません。そこで、自分が読んで役に立ったおすすめの書籍を紹介しておこうと思います。

1:大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる

値段的にも内容的にも初学者なら圧倒的にこれ。非経済学部ならこれだけでいいレベル

2:アセモグル/レイブソン/リスト ミクロ経済学

現在自分がメインで使っている参考書。値段も大きさも張るけど網羅性は最高峰、内容も初学者でも全く問題ない。

次の記事はこちら→社会的余剰とは?消費者余剰と生産者余剰に分けてわかりやすく解説!

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